京都ふじわらFP事務所

お金と人生をデザインする。京都の独立系ファイナンシャルプランナーです。

経済学の基本に鑑みてわが国の現状は如何?『アメリカの高校生が学んでいる経済の教室』を読んで軽く絶望した話

皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!京都の独立系FPの藤原@CFPです。

以前からなんとなく気になっていた本を読みました。なにしろ経済学を正式に学んだことがないので、まずは基本から攻略しましょう!

著者はこんな人

著者のデーヴィッド・A・メイヤーは、ウィンストン・チャーチル高校でAP(Advanced Placement)経済学を教えている先生ですね。非営利団体カレッジボードでコンサルタントを務めているそうです。

APとは、高校生に大学初級レベルの内容を教えるプログラムだそうです!

本書の構成

●目次
拝啓 親愛なる読者のみなさま
推薦者まえがき(橘 玲)
謝辞
経済について知っておくべき10のこと
第1章 なぜ、経済学を学ぶのか
第2章 取引の基本
第3章 経済システムの基本
第4章 お金の流れと社会の基本
第5章 銀行の基本
第6章 需要と供給の基本
第7章 市場の基本
第8章 不完全競争市場の基本
第9章 政府と市場の基本
第10章 金融市場の基本
第11章 外国為替と国際収支の基本
第12章 経済活動の基本
第13章 国内総生産(GDP)の基本
第14章 失業の基本
第15章 インフレーションの基本
第16章 マクロ経済学の基本
第17章 金融政策の基本
第18章 経済成長の基本
第19章 環境と経済の基本
付録 知っておきたい経済用語集

本書のポイント① 人的資本と教育費の問題

「経済成長でもっとも大切な要素は「人的資本」だ。人的資本とは、人間が持つ教育、スキル、能力を資本とみなして投資の対象とする考え方だ。」とあります。

まさにこれがわが国のアキレス腱にありつつあって、これまでは教育機会の均等化によって社会階層移動や生産性の向上が実現していたところですが、このところ教育費用が急騰したことで教育機会が希薄化しています。お金持ちしか高度な教育が得られないという悪いトレンド(格差社会)が固定化しています。

天然資源の乏しい日本では、経済成長のエネルギーは人的資本しかないのですが、教育費用は高騰するし、国は教育に金をかけたくないし、これでは経済成長はジリ貧です。経済学の「基本の基」のはずですが、早く是正しないとほんとに、詰みますよね。

そもそも教育費が人生の三大出費のひとつとなど言われている時点で、周回遅れな気がします。日本は本当に先進国なんでしょうか??
fp-f.net

本書のポイント② インフラは大事というはなし

この度の能登半島地震でも大きな問題になったのは、インフラの問題です。半島部分の湾岸道路が寸断されたため、物資の補給が滞りました。現在もまだ復旧はしていません。そもそも水道が出なくなりました。これまでと同様のことであり、予め予想もされたことなのですが。。。

物的資本の項で「資本を手に入れたら、今度はそれを維持しなければならない。資本が力を発揮するには適切なインフラが必要だ。道路、水路、鉄道、安定した水道や電力のシステムがあれば、資本へのアクセスが簡単になり、資本を効率的に活用できる確率が大幅に向上する。」とあるように、インフラ整備はとても大事です。日本はそれが発達していると、本書にも書かれているのですが、都市部についてはそうだとしても、周辺部についてはそうでもないということは、この度の地震でも明らかになったとおりです。インフラの発達は経済成長に欠かせない要素と言われるわけですが、心もとない限りです。日本は本当に先進国なのでしょうか??

オススメ度合い ★★☆

経済学は大学で全く学んでおらず、大昔に公務員試験の対策として付け焼き刃で勉強しただけで、まったく門外漢なので、基本的な本を読んでみました。数式などは使わずに、文章の説明だけで進むので、その意味ではわかりやすい気はしますが、本当に理解できているのかは、よくわかりません。アメリカの高校生は本当にこの内容を理解できているのでしょうか。。。

やっぱりミクロに比べてマクロ経済学は難しい気がします。なにしろ体系的に学んでいないので、そこは苦手意識が残ります。マクロ経済学より行動経済学のほうが素直に腑に落ちるのは、心理学畑のせいでしょうね。。。

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。