皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!
バートン・マルキールの『ウォール街のランダム・ウォーカー』は長期投資を旨とするインデックス投資家のバイブルといっても過言でない名著で、なんとなくいろんなところで引用されるので読んだつもりになっていましたが、このたびやっと完読しました。
なにしろ、大著なので内容豊富です。
そこで、今回の読書感想文は何回かに分けてお届けしましょう。という企画の3回目です。
本書のポイント
今回はテーマを絞って、「不動産投資、特にREITに投資する必要性はあるのか?」というポイントについて紹介しましょう。
総じて言えば、不動産投資は平均すればまずまずのリターンを上げてきており、とりわけインフレが進行する局面では最高のインフレ・ヘッジ資産になっている。
と述べており、さらに
ポートフォリオを盤石にしたいなら、保有資産の一部をREITに投資することを強く勧めたい。
不動産投資のリターンは株式や他の資産クラスとの相関があまり高くないのだ。
としています。
とはいえ、ほとんどの個人投資家は戸建てやマンションの購入があるのでインフレ・ヘッジができているという考え方で、それ以上の不動産投資を考えるならという前提の話です。
ただ、最近では以下のようにREITと他の資産クラスとの相関係数は、比較的高くなっているようで、株式との違いがあまり感じられなくなっています。
まあ、債券ですら株式との逆相関関係が崩れてきている状況なので、同じ傾向のようにも見えます。
emaxis.jp
これは「eMAXISシリーズ各ファンド間の相関係数を示したもの」という前提ですが、国内リート:国内株式の相関係数が0.554、先進国リート:先進国株式が0.789でより高くなっています。
国内リート:先進国株式は0.327、同様に国内リート:全世界株式では0.331で相関関係が比較的低くなっているので、国内リートと外国株式の間ではリスクの低減が期待できるかもしれません。
本日の結論
ということで、ポートフォリオにREITを加えるかどうかは、持ち家の有無なども含めて検討の余地があるが、現状では必須とまではいえないというのが結論でした。
なお、これはマルキール名誉教授の述べた結論ではなく、著書を踏まえて筆者の出した暫定的な結論です。
オススメ度合い ★★★
間違いなく必読書です。資産運用をお考えの方、実行中の方で未読の方は必ず読んでおいてください。
来年から「新しいNISA」を利用しようとする方も必読です。
でも、もう少しで最新版である第13版が発売されるので、そちらを待って購入するのがベターでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。