皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!
以前に、北村慶氏の旧著『大人の投資入門』を紹介していたところですが、前編は肝心な部分に到達する前に終わってしまいましたね。
前半では、公的年金に関する記述が簡潔にして妙であって、期待収益率、ボラティリティ(投資収益のブレ)、ポートフォリオ理論といった基本的な概念がわかりやすく説明されています。
このあたりも読みどころですね。例えばこんな具合です。
「このように、相互に値動きに関係のない(相関係数がゼロの)資産を組み合わせた「ポートフォリオ」のボラティリティは、単純な和ではなく、それより小さいルート(二乗和の平方根)に止まります」p.115
どうでしょうか、ピンと来たでしょうか。
現代ポートフォリオ理論について、詳細までは説明されませんが、この次のページにもう少し噛み砕いた説明が書かれているのでご安心ください。
是非買って読んでみてください。
さらに終盤でアセット・アロケーションのリバランスの重要性が説かれます。
信託銀行が行っているリバランスとはただそれだけの単純な行為ですが、結果から見れば、【図表57】でも分かるように、割高なものやその後に下落する可能性の高いものを売り、割安なものやその後に値上がりする可能性の高いものを買っていることになっています。p.238
このようにリバランスの効果の重要性を強調します。
実際、当初計画したリスクを超える、意図しない量のリスクを回避するために、リスク管理の手法としてリバランスは非常に重要なものなのです。
アセット・アロケーションのバランスが崩れて、知らぬ間に、許容範囲を超えるリスクを抱えていたなんてことが起こると、大暴落を食らった時に泣きを見ることになりますからね。
一般向け投資本の標準的なボリュームの本ですが、他にも読みどころがいっぱいで、値打ちがありますよ。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。
参考
と、この記事を書いているさなか、新たな情報が入りました!
インデックス投資の伝道師として有名なブロガー水瀬ケンイチ氏が紹介してくれています。なんと北村慶氏が新刊を出されるそうです!
randomwalker.blog19.fc2.com
▶それがこちらです。『金融のプロが実はやっている 最もシンプルで賢い投資の結論』発売中です!
▶こちらの旧著のバージョンアップ版になるらしいです。