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悪評高いPCサポート商法は生きていた!
一昔前に話題になった、PCデポの高齢者向けのPCサポート事業の料金が高額すぎ、中途解約の違約金も高すぎるのが問題になったのは、数年前の話ですが、PCデポにかぎらず、同様のPCサポート商法は今も生き残っているのです。
ということを、実際に親族が経験した事案にそってご紹介しましょう。いまだにこんなあくどい商法が生き残っていることに驚きを禁じえません。
問題の会社は結構有名な、PC量販店のアプライドです。ここでPCを購入すると、「スタープラチナプレミアム」への加入を熱心に薦められるそうです。
今回の親族は後期高齢者でしたが、根負けしてというよりも、よく理解できずに加入したようです。
しかも、月額約5500円、5年間の保証というものです。
いま現在のHPを見ると、「プレミアムW&Gロイヤルプラン」という満漢全席的な豪華フルコースだったようです。
これは5年間で約33万円の支払いという、えげつない値付けです。当然購入したPCよりも高額で、途中でPCの調子がよほど悪くなれば、買い替えたほうが割安という、明らかに悪意を感じさせる値付けのサービスです。
しかも中途解約には解約違約金が発生します。
そして訴訟もあった!
さすがに違約金が法外なので、かつて消費支援機構福岡が提訴しています。
福岡地方裁判所で和解にいたり、いまでは「契約プラン終了までの残月数に月額料金を乗じた金額の 2 0 %を超えない額」まで減額されていますが、もともとは50~70%だったそうです。
全く油断も隙もない恐ろしい世の中ですね。
このことは消費者庁のHPにも公開されています。
https://www.caa.go.jp/notice/entry/018551/
明らかに会社の利益優先で、情報弱者たる高齢者を搾取するために開発されたサービスといっても過言ではありません。
普通なら、損得勘定から言って加入しませんよね。
でも、先に以下の記事で紹介したように、後期高齢者ならずとも、定年を迎えるような年令になると数値的な認知能力について、すでに正常な判断を下すことが困難な状態にあり、薦められるままについつい加入してしまうものだということを今回改めて認識したわけです。
会社もそのことをわかった上で、高齢者に熱心に売り込んでいた節があり、悪意を感じます。
大丈夫、中途解約は可能です!その方法とは?
でもここで特筆しておきたいのは、そういった契約にサインしたから泣き寝入りしかないと考えなくてもいいというです。
今回の事例も以下のように有効なつてを辿っていくことで、中途解約金はなしで解約できたのです。
その有効な手段とは、消費生活センターに相談することです。
以上の通り、過去に訴訟があったこともあり、消費生活センターでは同様のPCサポート商法を問題視しており、相談も多く寄せられているようです。
こちらからお近くの消費生活センターに相談してみてください。
www.kokusen.go.jp
消費生活センターに連絡すると、無料で弁護士に相談できる枠を紹介され、弁護士に相談のうえで、アプライドの店舗に事情を説明したところ、解約違約金なしでの解約に応じてくれたのです。消費生活センターと弁護士の効力は絶大です。
アプライド自身も、じっさいのところフェアではないグレーな商法だという認識は持っているようです。
だから、公的機関や弁護士を後ろ盾にすれば、契約書をなかったことにするところまで譲歩するようです。
もともと、上記の消費者支援機構福岡との和解により、申込みより6ヶ月未満での解約について、その間サービスの利用がない場合は中途解約違約金を全額免除するという規約に改正されていますが、店舗によってはそれ以上の判断、事実上の白紙撤回もありうるということです。
多分本社からの指示で、現場のセールスマンはいやいややらされているのでしょうが、本部としては会社の指示を曲解して現場店舗が暴走したという説明で幕引きを図るパターンと推測します。
だから、公的機関絡みのクレームが来ると、争わずにあっさりと引くのだと思われます。
さすがに商売人の品位としてどうなのかと、強く感じますが。
実際、後期高齢者に正常な数的判断能力が期待できないことは上記の通り科学的な実験結果があり、訴訟に持ち込めば、アプライドは負ける可能性がありますからね。
ちなみに、アプライドには個人的になんの恨みもなく、全うな商売をしている硬い会社という印象だし、たまに行くと楽しい店だと感じます。
それゆえに、こうした不公正な商売の仕方をいまだに続けている会社のポリシーのあり方と、上から指示される現場の遣る瀬なさを、とても哀しいと感じる次第です。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。