京都ふじわらFP事務所

お金と人生をデザインする。京都の独立系ファイナンシャルプランナーです。

【FPフェアin大阪より】2030年、90兆円の個人資産が塩漬けに?お金にも介護が必要とは?(その1)

皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!

本日のテーマ

先日日本FP協会のFPフェアin大阪に参加してきました。コロナ禍は終息していませんが、オンサイトでの開催となりました。対策万全で参加しましたが、やっぱりオンサイトはいいですね。さすがに交流会とか、ないのが残念ですけどね。。。

さて、まずひとコマ目は慶応大学の駒村康平先生の講演ですが、公的年金や金融老年学の有名な先生なんですね。後で調べて知りました。

「加齢による認知機能の低下が資産管理・運用に与える影響」という講演から、特に印象的な事項をピックアップして、まずは以下のいくつかのトピックについて情報共有したいと思います。

なお、図表等の資料は著作権の関係で、共有できませんので、ご容赦ください。

認知機能資源は有限である

人間は毎日35,000回の判断を行っているそうです。

そして、認知機能資源は有限であり、ゆえに節約を行って長持ちさせないといけない。

なんとなく、そんな気はしましたが、人間が与えられている寿命に限りがあるように、正しい判断を行う資源も有限であり、問題は寿命まで持たないということですね。

加齢により言語能力は維持するが、数的処理の能力はかなり早い時期から低下する

加齢により数的能力はかなり早い時期から低下するそうです。

数字の順番、類似図表パターン、記号パターン等の指標で、すでに40代から一部で低下が始まりまるそうです。

一方、言語能力は加齢による右肩上がりとなり、ちょっとホンマかいなと思いますが、意外に能力低下しないそうです。

若者と高齢者は自信過剰気味である

非常に興味深いグラフがあるのですが、ここでは示せないのが残念です。

自信過剰を示す指標が、20歳は高いのですが、50歳くらいまで低下し、50代後半で底打ちして、それ以降再び上昇するというU字型のカーブを描くのだそうです。

つまり、若者層と高齢者層は自信がある割に誤りやすい、つまり自信過剰気味という傾向があります。

これも、なんとなくそんな気はするところですが、高齢者が自信過剰というのは、資産運用、資産管理上のリスクを意味します。

また、そうした世代に接する場合に、自信過剰分を割り引いて話を聞いて考える必要があるともいえます。

金融資産の管理能力は50代前半でピークになる

以上のように加齢により認知機能は低下するけど、認知機能のピークは50代前半になる。

認知機能、リテラシー、経験のバランスによって、金融資産の管理能力という観点では、50代前半が総合的に最も充実した「スィートスポット」になるということです。

なんとなく経験的にうなずけるところですね。

実際、50代前半になると、サラリーマンの方は、その後の昇進の期待値もほぼ見えてくるところで、人生の後半戦をデザイン(再検討)するタイミングとなります。

そこに親の介護や子供の教育費の問題も絡んで、最も考えるべきことの多い時期だと思います。

そこに人間の認知機能的にもピークがくるのは、ある意味自然なことでもあり、造化の妙を感じるところです。(まあ、神様はそんな細かいことは考えていないと思いますが)

その2に続く

改めて資料を見直すと、有意義なトピックがいくつもあるので、これは記事を改めて書かないといけませんね。

人生のセカンドステージを考える時期の、定年準備世代のシニアの方にはもちろん、いずれ老いを迎える若い世代の方にも有意義なファクトだと思いますので、その2に続きます。

それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。

参考