皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!
本日のテーマ
FPとして個人的にウォッチを続けている「10兆円大学ファンド」問題ですが、面白い記事を見つけたので、参考にご紹介しましょう。
国の行う政策誘導のなかには、参加するとお金の面でメリットもあるけど、それ以上に実質的にデメリットの方が大きいのでは?と思われる施策があります。
誰いうとなく、そんな政策を「毒まんじゅう」と呼ぶようになりました。
一見美味しそうにみえるけど食べると毒が入っていて死に至るという「毒まんじゅう」に例えて、俗にそう呼ぶわけです。
今日はそんな「毒まんじゅう」にまつわる、怖い(?)お話です。
美味しい「まんじゅう」には毒がある?
問題の記事は以下のようなものです。
news.yahoo.co.jp
今回の「10兆円大学ファンド」は「マッチングファンド方式」を取ることになっています。
事業成長3%を達成する大学に、それに見合った金額の支援を「10兆円大学ファンド」の運用益3,000億円@年から行うというものです。
この「マッチングファンド方式」のことを「毒まんじゅう」方式と呼んでいるようです。
改革とは「やってる感」のことか?
確かに国立大学に対してはこれまでも様々な改革が要求され、何がしかの改革策を作成して文科省に提案し、認められればお金をだしますよという「マッチングファンド方式」で、大学改革を後押ししてきました。
ただ、この改革なるもの内実が形式だけで、実態が伴っていない点が実は問題で、例えば最近でも「指定国立大学」なる制度が導入され、このために各大学知恵を絞っていろんな改革の絵を書きました。
しかしその実態は、大学内にヴァーチャルな機構や組織を作って、いかにも「やってる感」を演出しながら、旧体制は温存するという彌縫策で、実態としては何も変えないことを前提として企画されているようです。
そうでないと学内の同意を得られないからです。
改革の本音と建前
だいたいこうした改革案は、見せかけだけの「やってる感」のことと大学内では認識されていて、文科省もそれで構わないから、上手な絵をかけというのが本音と言われています。
そのため、こうした企画立案業務は膨大な作業を伴うこととなり、教員組織の負荷となります。
今回の「10兆円大学ファンド」は年率3%の事業成長というところが「毒まんじゅう」の毒の部分で、そもそも国ですらGDPの成長率はプラスマイナスをうろうろしている状態なのに、国立大学だけにそんなに高いハードルを課せる立場なのか?という素朴な疑問が湧いてくるのも当然ではあります。
本日の教訓と大胆予測
いかがでしょうか、「10兆円大学ファンド」と「毒まんじゅう」の関係の一端がご理解いただけたでしょうか。
ちょっと飛躍しますが、本日の教訓は以下のとおりです。
ちなみに、以下は当たるも八卦、当たらぬも八卦の恐怖の大予言ではなく、悪くするとこんな未来が訪れますよという批評的将来予測なので、読者各自には冷静なご判断を期待したいと思います。
- 「10兆円大学ファンド」が「毒まんじゅう」である可能性は非常に高いでしょう。
- 3%事業成長のために、各大学はみせかけの数値を作ることに不要な労力を投じて、徒労に終わる苦い汗を流すことになるでしょう。
- そのために肝心の教育・研究・診療事業に何らかのしわ寄せが生じることになるでしょう。
あくまでも筆者の真意は、そうならないための関係各位の真摯な努力と、国民の理解および支持が肝要であるというところにあるのです。
答え合わせは、5年後か、10年後に!
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。