京都ふじわらFP事務所

お金と人生をデザインする。京都の独立系ファイナンシャルプランナーです。

「myINDEX」でGPIFの成績を確認しつつ大学ファンドの期待リターンをシミュレーションしてみた

皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!独立系FPの藤原@CFPです。

「myINDEX」というサービス

個人投資家のみなさんには有名な「myINDEX」というサービスがあります。会員登録は必要ですが、かなりの便利機能が無料で使えます。自分でポートフォリを作ってみて、リターンやリスクなどの効率性を過去データからざっくりイメージすることができます。
myindex.jp

GPIFで試算してみた

あくまで過去データによる計算なので、未来について同じリターンなどが期待できるわけではないということは基本事項ですが、試しにおなじみのGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオについて、過去30年に遡って計算(バックテスト)したところ、こんなイメージになりました。ちなみにGPIFのポートフォリオはみんな参照したいので、デフォルトで用意されているのです!

平均リターンが5.3%、リスクが9.5、シャープレシオが0.56となりました。

  • リスクとは統計学でいう標準偏差のことで、要は、平均リターンを中心に+-9.5%✕2の幅の中に大体(2標準偏差=約95%の確率で)値動きが収まるというふうに考えます。なので、悪ければ-13.7%、良ければ+24.3%という幅の中に、ほぼほぼ値動きが収まるだろうというわけです。ただし、約5%の確率で、それ以上の値動きが発生します。
  • シャープレシオは、リターンをリスクで割ったもの(説明を簡略化しています)で、投資効率の良さを示します。高いほうがリスクとリターンの関係が効率的であるといえます。(ただしシャープレシオだけを比較して云々するのはナンセンスな議論になってしまいます。)

もうひとつ気になるのは、大暴落が起こったときに、どのくらいの下落幅を食らうのかをイメージすることです。暴落はいつ起こるか予測はできませんが、いつか必ず起こるからです。

こんなふうに、どの時期の暴落で、どれくらい資産クラスが下落したかが一目瞭然です。

GPIFポートフォリオの場合、リーマン・ショック時に、最大28.8%のドローダウンとなっています。30%に近いかなり強烈な下げですが、先進国株式クラスは50%以上の暴落です。それに比較すると、債券比重が大きいために、下落が小さく、若干ソフトになっていることがわかります。資産の価値が30%程度毀損する事態に、あなたのメンタルは耐えられるでしょうか?例えば、1000万円を運用していて、300万円くらい含み損を抱えることになります。それでも、枕を高くして夜寝られるでしょうか?というふうに、使ってみるわけです。

大学ファンドで試算してみた

では同じツールを使って、大学ファンドのポートフォリを当てはめるとどうなるでしょうか。レファレンス・ポートフォリオは、株式:債券=65:35としていることから、非常に単純化して、先進国株式と先進国債券で試算してみます。実際は、これを参照しながら、オルタナティブ(株式・債券などの伝統的資産以外の、不動産、未公開株、先物などなど)を加味して、基本ポートフォリオを組み上げて、さらに比率を変更する計画のようです。

このように平均リターンが8.4%になりました。凄いですね。。。
GPIFポートフォリオに比べてリスクは上昇していますが、シャープレシオが改善しているので、効率は悪くなさそうです。
ただし、リーマン・ショック時には40.1%のドローダウンが生じます。さすがにこれはキツそうです。個人ならメンタルが持たない気がしますが、大学ファンドは超長期運用が前提なので、暴落は千載一遇のチャンスであり、その後の資産価値の急回復が期待できます。そこは個人投資家との大きな違いですね。

でも違和感が残る(ひとつの参考程度に)

こうしてみると、大学ファンドの目指す利回りは4.36%(名目)、本音は5%なので、確かに無理な目標ではない気もしますが、いちばんの違和感は、「myINDEX」のリターンはかなり高めに算出されているように感じられるところです。
この点は、注意を喚起しておきたいところです。裏側で動いているロジックはわれわれにはブラックボックスなので、そのまま鵜呑みにはできない気がします。他にもポートフォリオのシミュレーションを行うツールはあるのですが、他に比較して妙に数値が高い印象があります。
紹介しておいて言うのもなんですが、とりあえずの参考程度に使ってみてください。(ちなみに本記事は、アフィリエイト記事ではありませんので、念のため。)

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。