京都ふじわらFP事務所

お金と人生をデザインする。京都の独立系ファイナンシャルプランナーです。

CFP独学突破!「不動産運用設計」科目のキモはここだ!

皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!

試験を受けたのは大分以前のことになりますが、忘れないうちに記事にしておこうと思います。

CFP試験の基本

まずは基本的な条件の確認です。

CFP試験は以下の6科目ありますが、一度に全科目合格する必要はなくて、科目合格制です。

  • 金融資産運用設計
  • 不動産運用設計
  • ライフプランニング・リタイアメントプランニング
  • リスクと保険
  • タックスプランニング
  • 相続・事業承継設計

しかも合格科目の有効期間もないので、時間をかけて合格科目を積み上げることができます。門外漢にもとっつきやすい試験だと思います。

試験は年二回、6月と11月に行われます。

各回2日間(3科目ずつ)の日程ですが、1日目と2日目の間が1週間空いているので、次週の科目にむけて集中的に追い込むことができるのもありがたい試験です。

問題は50問、合格ラインは約60%程度で、一般的な国家資格試験の場合、約70%ラインが基準となるので、これも親切設計といえます。(合格基準を70%程度に引き上げるとCFP認定は一層難関資格になりますね)

ただし、受験資格がAFP認定者であることなので、まずはAFPにパスすることが必要です。
www.jafp.or.jp

なお、大学院からCFPを目指すルートもあります。レアケースだと思いますが、紹介しておきます。
www.jafp.or.jp

試験問題の傾向について

不動産運用設計は計算問題が多いため、一般的に電卓計算に苦手意識がある人にとっては、宅建試験より難しいと言われており、特に畑違いの者には計算問題の負担感が大きく感じられます。

不動産業界の門外漢にとって、この種類の計算問題は全く馴染みがないうえに、無駄に計算の手数が多い問題が設定されており、落とすための試験という印象です。

知識問題は宅建試験から、計算問題は不動産鑑定士試験から、上澄み部分(というか多少水で薄めた問題)を出題というイメージでしょうか。(合ってますか?)

それなりにハードルは高いと感じました。というか、意外に難しいので驚きました。

いつものようにレジュメを作成しながら勉強を進めましたが、そのページ数はこれまでで最も少なくなりました。その意味では知識問題的にはシンプルな試験とえいえるかも知れません。

テキストはこれがオススメ

基本テキストは2級FP試験対策のものをベースに、過去問で出たカバーしていない部分をネットで調べてフォローしていくという方針でおおむね対応が可能です。筆者はこのシリーズが馴染みやすかったです。

ただし、「不動産運用設計」のもう少し突っ込んだ理解に関しては、それだけでは足りないと感じて、さらに以下の日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の定番テキスト「CFP試験標準テキスト(不動産運用設計)」を読みました。

アマゾンでは売っていないので、以下から購入してください。
ssl.store.jafp.or.jp

問題集はこれがオススメ

☆FPK研修センターの精選過去問題集
テキストの後は、これも定番の精選過去問題集を3回くらい回しました。例によって、難問については解けるようになるまで繰り返すので、数回解いた問題もあります。

CFP資格試験対策にとって基本問題集はこれしか選択肢がないので、これを覚えてしまえば、確実に合格点は取れます。でも、門外漢は高得点にはなかなか届かないというのも事実。

☆日本FP協会の過去問題
試験の直前にはこれも定番の「CFP資格審査試験問題集」を過去3~4回分(過去2年分くらい)、解きました。
ssl.store.jafp.or.jp

これを使って時間配分をイメージすることは非常に重要です。

わたしの場合は、全体を3パートくらいに区分して、時間のかからないとっつきやすいパートから順に問題を解く手法を採用しました。

さらに、明らかに時間のかかりそうな特定の難問は捨て問とする見極めも重要です。その種類の難問がいくつくらい出るのかを知ることも重要な試験対策です。

「不動産運用設計」のキモはここだ!

とにかくキモは計算問題です。毎年大きな計算問題が5問出ます。

不動産所得・収支問題(通称2年問題)、不動産価格の算定(通称5年問題)、借地権交換問題、等価交換等々、計算問題が山積みです。

しかも、他の科目に比べても計算の手数が異様に多いのです。時間が足りません!

特に時間がかかる問題がいくつかあるので、事前に目星を付けて、後回しにする戦略が欠かせません。

個人的にはいつものようにA~Cの3パートに分けて、後の文章題から手を付ける戦略としました。

でも、最終的には計算問題は得点源であることがわかります。

計算問題はパターンが限られているので、問題ごとのパターンを掴んで、あとは単純に計算の手数の多さに慣れておけばいいのです。

慣れれば時間がかからないのです。当たり前だけど。(受験生は金融機関の方がメインなので、基本的に計算の手数の多さには嫌悪感を感じないでしょうが、筆者は完全に門外漢なので、一番イヤな部分です。。。)

  • 不動産所得・収支計算

賃料収入について、年額に換算するのを忘れがちでした。(最初はそんなレベルでした)

借入金の利子計算がキモですね。元利均等、元金均等の計算手順を確認しましょう。元金均等は簡単なので、元利均等が計算できれば大丈夫ですね。パターン問題なので、慣れが必要です。

  • 底地と借地権の交換

そもそも概念を腹に落とす必要があります。借地権と底地を交換する??

要は、借地権が設定してある底地は権利関係が複雑になり、そのままでは売買しにくいので、借地権を底地と等価交換して、不動産から賃貸借関係をなくして、流通性を向上させるという手法ですね。

完全所有権が手に入るので、不動産価値が上がるそうです。

試験の所感について

2021年11月試験の試験会場は京都グランヴィアホテルの宴会場でした。なにしろデカイですからね。密にならずにすみます。(何年ぶりだろう、懐かしいなあ)

一番気になったのは、計算問題がスムーズにこなせるかということでした。単純な計算ミスが出るとそれだけで焦るし、時間を食います。

でも今回の試験問題は計算問題についてはあまり癖がなく、電卓計算も一発で決まって、意外にも時間が30分以上余りました。

ところが、文章題で大苦戦です。これも予想外でした。

当然過去問題では9割ラインは超えてますが、思わぬ問題でコケまくりで、落ち込みました。

特に税金関係の特例問題が、あれだけ準備したのにお手上げで、今まであまり突かれなかった細かい(でも基本的な)部分に引っかかりまくって、いくつも失点しました。出題者の目論見通りですね。。。

でも帰宅してから確認してみても、やっぱり分からない内容があり、単純ミスは2問程度で、それ以外はちょっと過去問から論点が外れているので、これじゃできないわと逆に納得したのでした。やはり、覚え方が雑なんですね。

「以上」とか「未満」とか「超える」とかいった部分があやふやだったり。

試験結果について

自己採点はそれでも合格圏内ですが、今回は特に難しかったのかなあと感じました。

合格ラインは32点だったので、実は特に難しくはなかったようですが、今までとは違う出題のされかたがあったのは事実ですね。計算問題が定番路線だったので、それ以外で差をつけようとしたものと思われます。

まとめ

最後に「不動産運用設計」に関する重要ポイントを簡潔にまとめておきましょう。

 

  • CFP資格審査試験は独学で突破可能な親切設計
  • 計算問題は一見とっつきにくいけど、定番問題なので慣れれば解ける。ただし計算時間の短縮のための練習と時間配分の戦略は必須
  • 税制の特例関係は特に重点的にしっかり対策して押さえておくべき

最後まで読みいただきありがとうございます。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。

オススメ記事

 

fp-f.net

fp-f.net

fp-f.net