京都ふじわらFP事務所

お金と人生をデザインする。京都の独立系ファイナンシャルプランナーです。

CFP独学突破!「相続・事業承継設計」科目のキモはここだ!

皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!

CFP資格審査試験の独学突破シリーズですが、久しぶりの記事投入です。

順番が前後するのですが、2022年6月試験で受験したのが「相続・事業承継設計」の科目でした。

すでに記憶の中で霞みつつある当時のことを思い出しながら以下の通り記事を書いてみました。後学者の参考になれば幸甚です。

CFP試験の基本

まずは基本的な条件の確認です。

CFP試験は以下の6科目ありますが、一度に全科目合格する必要はなくて、科目合格制です。

  • 金融資産運用設計
  • 不動産運用設計
  • ライフプランニング・リタイアメントプランニング
  • リスクと保険
  • タックスプランニング
  • 相続・事業承継設計

しかも合格科目の有効期間もないので、時間をかけて合格科目を積み上げることができます。門外漢にもとっつきやすい試験だと思います。

試験は年二回、6月と11月に行われます。

各回2日間(3科目ずつ)の日程ですが、1日目と2日目の間が1週間空いているので、次週の科目にむけて集中的に追い込むことができるのもありがたい試験です。

問題は50問、合格ラインは約60%程度で、一般的な国家資格試験の場合、約70%ラインが基準となるので、これも親切設計といえます。(合格基準を70%程度に引き上げるとCFP認定は一層難関資格になりますね)

ただし、受験資格がAFP認定者であることなので、まずはAFPにパスすることが必要です。
www.jafp.or.jp

なお、大学院からCFPを目指すルートもあります。レアケースだと思いますが、紹介しておきます。
www.jafp.or.jp

「相続・事業継承設計」の難易度は相対的に低いらしい

CFPの「相続・事業承継設計」の試験勉強は2022年4月ころから始めました。2022年6月の試験を目指してスケジュールを組みました。

最初の構想では、3科目ずつ合格して、1年で6科目をコンプリートするイメージでしたが、各科目の理解の進捗状況を勘案して2科目ずつ3回の受験で全科目合格を達成する計画に方向転換したのでした。

本来は2021年11月の試験で「不動産運用設計」「相続・事業承継設計」の2科目を受験する計画だったのですが、仕事の都合で勉強時間がとれなくなり、「不動産運用設計」だけに絞って受験したため、「相続・事業承継設計」が最後になってしまいました。

先に受けた「不動産運用設計」が意外と苦戦したのですが、「相続・事業継承設計」は相対的に易しいといわれていたし、1科目に絞ったので時間はとりやすかったですね。

テキストの定番はコレ!

まずは以下の日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の定番テキスト「CFP試験標準テキスト(相続・事業承継設計)」を読みました。アマゾンでは売っていないので、以下から購入してください。
ssl.store.jafp.or.jp

CFP試験対策は、2級・AFP試験対策のテキストで足りるという意見も目にしたのですが、「相続・事業承継設計」については、2級テキストのレベルでは確実に足りないからです。

実際はそれでも不足を感じて、問題集で腑に落ちなかった部分はネットで最新情報を調べて読み込む必要がありました。この作業には結構時間をかけました。

相続税については、ネットで探して知識の補強に使用した資料が、他の科目にくらべて一番多くなりました。相続税、大変ですよね!

あとはあまり知られていない資料ですが、とても充実したテキストがあります。国税庁の税務大学校で使用される「税大講本」が無料で公開されています。

これは相続税の概説なので、最初に通読するのがオススメです。

このテキストの存在を知ったのは、受験勉強の直前だったので、タイミングが悪かったですが、最初にこれを通読しておけば、相続税の考え方や全体像がスムーズに頭に入ったはずです。
www.nta.go.jp

問題集は定番のコレ!

☆FPK研修センターの精選過去問題集
テキストの後は、これも定番の精選過去問題集を基本的に3回くらい回しました。

ところがいくつかの難問については3回どころではなく、10回近く解かないと腑に落ちない問題もありました。ほぼ相続税や贈与税に関する問題でしたね。

☆日本FP協会の過去問題
試験の直前にはこれも定番の「CFP資格審査試験問題集」を3~4回分、解きました。

これを使って時間配分をイメージすることは非常に重要です。

わたしの場合は、全体を3パートくらいに区分して、とっつきやすいパートから順に問題を解く手法を採用しました。

さらに、明らかに時間のかかりそうな特定の難問は捨て問とする見極めも重要です。その種類の難問がいくつくらい出るのかを知ることも重要な試験対策です。

ただ、「相続・事業継承設計」の科目では手数のかかる計算問題が少ないので、露骨に捨て問となる出題はあまりないと思います。
ssl.store.jafp.or.jp

忘れてはならないのが、定番のこのHPです。FP1級用の過去問サイトですが、「相続・事業継承設計」に関する知識問題の確認には非常に有効です。
fp1-siken.com

科目合格の肝は「相続対策」「相続財産の評価」「事業承継」

この科目のキモは「相続対策」「相続財産の評価」「事業承継」だと感じました。

「相続対策」は生命保険による対策なんて、資産家でないわが身にはなかなか縁がない話なのでピンとこないところもありますが、実務的には重要な論点です。

受験対策としては、とにかく計算を表形式にして、枠を埋めていくオーソドックスな手法が有効だと思います。

「相続財産の評価」については、なにしろ不動産の鑑定評価の話ですね。これも資産家に縁がない庶民にはまずピンときませんが、これも過去問題でパターンとして認識するのが近道でしょうね。

自用地、貸家建付地、貸家建付借地権などの判断とか、評価計算式(記憶案件ですが)とか、使用貸借に関する国税庁の照会趣旨なども見極めが必要となりますから、なかなか時間がかかります。

中小企業の「事業承継」の問題は、門外漢には全く初見の話なので知識の食いつきが悪いです。このあたりはFPの実務としてもどの程度関与するものなのか、今のところ未知数です。

過去問題は最低3回は回して、90%以上解答できるようにすれば、本番でも70%以上は解けるはずです。

個人的には、過去問題の正答率に対する試験本番での歩留まりが85%くらいという経験則があります。

試験の結果は?

「相続・事業継承設計」は6科目のなかでは相対的に難易度が低いといわれていたのですが、終盤で過去問の点数が伸びず、案外苦労した記憶があります。

ネット記事を集めてカバーできていない論点をおさらいすることになったのもそれが原因です。

6科目のうち最後の試験科目で、手数の多い計算問題がないので、時間も余り気味でしたが、点数はあまり伸びず、各問まんべんなく失点していましたね。不得意問題はなくなっていたのですが、細部を詰めきれなかったということでしょうか。

試験勉強の終盤までネット情報で相続に関する事例集を読み進めるなどジタバタしたのですが、それでもこの程度の点数かという感覚で、どうも不完全燃焼の感が残りました。

ちなみに、試験会場は国立京都国際会館でした!

まとめ

それでは、本稿の要点を簡潔にまとめておきます。


・CFP資格審査試験は独学で突破可能な親切設計
・「相続・事業承継設計」は6科目のなかでは比較的やさしい科目(個人差あり)
・テキストは、日本FPセンターの『CFP試験標準テキスト』と国税庁の「税大講本」がオススメ
・問題集は、FPK研修センターの『精選過去問題集』と日本FP協会の『CFP資格審査試験問題集』がオススメ
・受験対策として、時間配分、難問(捨て問)対応の見極めを行うことは必須

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。

オススメ記事

 

fp-f.net

fp-f.net

fp-f.net

fp-f.net