京都ふじわらFP事務所

お金と人生をデザインする。京都の独立系ファイナンシャルプランナーです。

FPが実際に労働局で聞いてきた!退職時の有給消化はどこまで可能か?未消化の有給休暇はどこに行くのか?

皆さま、ご安全にお過ごしでしょうか!

会社員の方などが退職時に有給休暇の未消化分を使い切って辞めることができるのは、今では常識になりましたよね(そうでもない?)。その昔は、なんとなく罪悪感がつきまとったものですが。

例えば1月1日に有給休暇が40日付与され、3月末に退職するとすれば、有給を全部消化すれば2月、3月はほぼ出勤が不要になります。

そんなケースでは、実際に最終出勤日が1月末というケースもあるでしょう。

これは法律で認められた労働者の権利なので、会社は拒否できないことになっています。

ただ、実際はそうもいかない場合がありますよね。

仕事の都合上、そんなに現場を抜けると業務が回らない、自分の代わりをできる人材はいない、同僚たちに過重な負荷がかかるのは申し訳ないといった状況で、有給消化を躊躇せざるをえない実態が多いのではないでしょうか。

そんな場合、有給休暇の消化が一部にとどまると、未消化の有給休暇はもったいないけど権利放棄として、消滅するものと信じていました。つい先日までは。。。

でも実際は、退職の場合は例外的に、未消化の有給休暇を会社に買い取ってもらうことは合法なのです。(他に、法定日数を上回る有給休暇も会社は買い取ることができます。)

これまで、有給休暇の買い取りは、有給休暇の計画的な取得促進を阻害するから違法だと理解していましたが、退職時には例外的に認められるという法解釈になっています。これ、初耳でした。

そして、実際に労働行政はその解釈で動いているので、最終的に未消化の有給休暇が発生する場合は、諦めて権利放棄する必要はなく、労働者は個別に会社に買い取りを請求できるのだそうです。

例えば労働組合を通じて買取制度の整備を求める労使交渉とかも必要なくて、各個人がばらばらに請求すれば良いのだそうです。先日、労働局の窓口で聞いてきたので、事実です。

普通に考えれば、就業規則に規定がなければ不可能だろうと思いますが、各労働者個人には現に有給休暇の買い取りを請求する権利があるというのが国の解釈のようです。

だから特段に就業規則がなくても、労働者と会社が合意さえすれば、買い取りを行うことはできるという法解釈です。

さらには、労働者個人が会社に未消化の有給休暇の買取請求する際に、労働当局が仲介して斡旋することもできるとのことです。

個人として要求したけど会社が認めてくれそうにない場合、労働局から買い取りを斡旋してくれるのだといいます。

そんなことが可能だとは想像もしませんでしたが、実際に行っているそうです。

ただ、法的な強制力はないので、会社側が認めらければ成立しませんが、それでも個人として要求するより、労働当局に斡旋してもらうほうが成功確率は上がりますよね?(多分)

これにより、未消化の有給休暇を金銭に換えることができ、権利を無駄に消滅させることを避けることができるわけです。(この場合、会社の処理としては、給与ではなく賞与として扱うそうです。)

以上、本日の知見をまとめれば以下の通りです。

・退職時の未消化有給休暇は会社が買い取ることができる。
・未消化の有給休暇の買取請求は、労働者に権利があるので、就業規則などに定めがなくても行うことができる。
・会社との交渉が困難な場合、労働局が仲介に入ることができる。(ただし、強制はできない)

この情報がこれから退職を考えている人々のお役に立てば幸甚です。

自分自身、全く想像外の事実だったので、少なからずビックリしました。

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは今日はこのくらいで。本日もご安全に。

参考

こちらのサイトがよくまとまっていますね。
corporate.vbest.jp